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最近よく聞くPDMって何?
ここ最近ウマ娘界隈で「PDM」というキーワードをよく耳にしませんか?
このPDMというのは「ペースダウンモード」というレース内の仕様の略称ですが、今回はこのPDMとそれにかかわるウマ娘のレースの仕組みについてまとめてみたいと思います
前提知識:ポジションキープとは
まず以下のようなレース場があった場合
このレース場の構成を整理すると以下のようになります
ウマ娘の仕様ではコースをいくつかの区間に分けてスキルなどが発動します
前半・後半は一番わかりやすく、コースの全長が2,000mだった場合は真ん中の1,000mが境目になります
序盤・中盤・終盤はレース中に画面上に表示されるマップに表示されている線が境目になります
そして今回のテーマでもある「ポジションキープ区間」はスタート直後からコース全体の40%程度の位置(中盤区間の真ん中)までを指します
わかりづらいのはこの区間が明確に表示されていないためです
このポジションキープ区間内で発生するウマ娘達の位置取りの動きをまとめて「ポジションキープ」と呼んでいます
レース中のウマ娘の動きについて
ポジションキープを含めた、レースにおける各区間について説明します
①スタートダッシュ
スタート直後各ウマ娘は脚質ごとに応じた制限速度まで加速します
基本的にここで前の位置に出れるかは運の要素が強いです
ランダムで発生する"出遅れ"がないことや、内枠からスタートできているかどうか、それ以外にも乱数での位置取りの優位性が変わるためです
優位性を持つ手段として、「地固め」や「先手必勝」といった序盤加速スキルにより前に出ることが可能です
同じステータスで同じスキル構成だった場合、乱数の要素はありますがこの区間でついたバ身差がそのままラストスパート開始まで有利に働きます
そのため、特に逃げウマ娘では「アングリング×スキーミング」発動条件である"先頭"を維持するためにこの有利をしっかり活かすことが重要であるため前述した序盤加速スキルは必須級の扱いとなっています
②ポジションキープ区間
スタート加速の後「逃げ→先行→差し→追込」という脚質ごとの位置取りを整理するため「ポジションキープ」と呼ばれる補正が発生する区間です
右に向かって走っているとすると以下のようなイメージです
ざっくりとまとめると以下のように位置取りが制御されます
・先頭のウマ娘を決定する
スタートダッシュの結果一番前にいるウマ娘を先頭ウマ娘に設定(基本的に逃げウマ娘)
なお先頭ウマ娘は同一脚質のウマ娘には追い抜かれる可能性があり、その場合は先頭が入れ替わります
・2番手以降のウマ娘は、脚質ごとに速度が制御される
先頭ウマ娘を基準に、逃げ→先行→差し→追込の順に並ぶように各脚質の間で一定の距離を離すように速度が制御されます
前の脚質に近づきすぎると強制的に減速されたり、後ろの脚質に行かないように速度が上がったりします
この時基本的にウマ娘のステータスやスキルは影響しません
③追い抜き区間
ポジションキープ区間の脚質ごとに距離を維持する速度制御がなくなります
これにより速度アップスキルなどが発動することで前の位置をとれるようになります
いわゆる中盤速度アップスキルが重要なのは、この区間で発動することで位置取りを上げ、ラストスパートをより前の位置から始められるようにするためですね
また、軽微ですが「追込>差し>先行>逃げ」の順に上限となる速度(制限速度)が設定されます
これにより終盤に近付くにつれて後ろの脚質がどんどん前に近づくような動きになります
④終盤加速
終盤開始位置からウマ娘のステータスと脚質に合わせた最高速度まで加速を開始します
いわゆる有効加速というのは、この加速区間においてできるだけ早く発動する加速スキルを指します
また、終盤加速開始直前に発動した速度アップスキルは、そこで上昇した分の速度アップを維持したまま加速していく"終盤接続"と呼ばれる動きとなります
⑤追い比べ区間
終盤加速により最高速度に達した状態でのラストスパート区間
ここで他のウマ娘が近くにくると"追い比べ"が発生し、根性ステータスの高さに応じて競り合うことで速度を上げたりします
その他この区間での競り合いに必要なのは、最高速度を上げる要素です
一つは距離適性がSであることや、スピードステータスを上げる緑スキル(左回り〇、春ウマ娘〇等)により最高速度を上げること
もう一つは終盤で発動する速度アップスキル、代表的なのは通常オグリキャップの固有スキル「勝利の鼓動」や、新衣装トウカイテイオーの固有スキル「絶対は、ボクだ」です
ポジションキープ区間での特殊な制御
ポジションダウンモードと逆噴射
前述の通り、ポジションキープ区間では脚質によって位置取りが強制的に制御されます
ここで、例えば先行ウマ娘が「地固め」を発動させてスタート直後に先頭の逃げウマ娘にかなり近づいたという状況があったとします
上の図で言うと1人逃げ脚質のサクラバクシンオーに地固めを発動した先行ニシノフラワーがかなり近づいているような状況になります
しかしここで先頭ウマ娘に近づきすぎたニシノフラワーには減速の制御がかかります
これによりニシノフラワーはかなり後ろの位置まで下がってしまい、結果として地固めの発動が無駄になってしまっています
これがいわゆる"逆噴射"と呼ばれる動作になります
こうしたポジションキープ区間内での位置取りにより減速の制御がかかる状態を「ポジションダウンモードになった」という表現をします
ポジションダウンモード解除(PDM)
ポジションダウンモード(PDM)になってしまうと減速制御が働くため不利になります
しかし、このPDMによる減速制御を無視する方法があります
PDMを無視する方法
・PDM状態の時に速度アップスキルを発動させる
・PDM状態の時に掛かり状態になる
こうした速度を上げる処理が発生すると、それによりPDMによる減速処理が上書きされるという動きになります
これらをまとめて"PDM解除"と表現します
PDM解除を確認するには、ステータスの低い逃げウマ娘をレースに出すとわかります
例えばステータスの低い逃げ役にサクラバクシンオーを出走させた場合
このように逃げのサクラバクシンオーより先行のニシノフラワーが前に出ます
しかしPDMにより減速し
バクシンオーが追い付き、逃げ→先行の順番になるように制御されます
しかし、同様の状況でニシノフラワーが速度アップスキル(下り坂巧者)を発動させると
このようにPDMによる減速を無視し、先頭を走り続けます
ちなみにサクラバクシンオーに追い付かれている方のニシノフラワーは速度アップスキルによる解除ができていない状態です
こうしたPDMの仕様を利用した戦略のひとつがPDM解除になります
幸運な先行ウマ娘
先ほどは逃げウマ娘を例に出しましたが、もし逃げウマ娘が1人もいないレースだった場合について説明します
例えば出走したウマ娘が全員先行だった場合などです
このときはスタートダッシュ後に先頭だったウマ娘が逃げウマ娘の代わりにポジションキープの基準となります
逃げウマ娘がいない場合はたいてい先行ウマ娘が出走していることが多いです
スタートダッシュ後に先頭に立てるかは運の要素が大きいため、こういった状況で先頭に立ったウマ娘のことを"幸運な先行ウマ娘"と呼んだりします
幸運な先行ウマ娘は、逃げウマ娘の代わりに2番手以降のウマ娘と一定の距離を離して先頭を走り続けようとするため、単純にレースがかなり有利に進められる状況になります
このような状況の場合、2位以下の先行ウマ娘がPDM解除をすることで先頭のウマ娘を追い抜ける可能性があります
なぜポジションキープが話題なのか
ここまでで基本的なポジションキープに関連する要素ついて説明してきました
で、結局なにが話題になっているの?
という点について書いていこうと思います
最も大きな理由は次回チャンピオンズミーティングレオ杯の開催コースが中山1,200mであることです
このコースで有効加速を持つ通常タイキシャトルやニシノフラワーが非常に強いため、それを活かせる先行脚質のウマ娘に注目が集まっています
結果、先行脚質に偏ったレースとなり序盤のポジションキープ区間でPDM解除を利用して有利にレースを運ぶ検討がSNSで話題となったことが発端です
ちなみに中山レース場は以下の通り序盤が下り坂となっています
そのため、先日新たに登場した「下り坂巧者」によるPDM解除が可能となります
また、ウマ好みも同様にこのコースでPDM解除が可能です
しかし上記スキルは入手可能なサポカが少ないため、因子継承で獲得するためにこの因子をもったウマ娘の情報交換がSNSで賑わったのも話題となった一因でしょう
もう一つのPDM解除...しかし
実は最近のアップデート情報にPDMに関する内容がありました
簡単に言うと
速度デバフをかけると相手のPDM解除を同時に発生させ、結果相手に優位な効果となってしまう不具合があった
ということ
例えば「後方釘付け」を発動すると、それを受けた相手は本来速度が下がらなければいけないところ、その速度制御によりPDMが解除され、結果として位置取りを上げる動きになるんですね
現時点ではこの修正がいつ適用されるかは未定のため、レオ杯向けに育成したウマ娘には序盤速度デバフスキルは獲得しないようにした方が良さそうですね
ということで今回はポジションキープを中心にウマ娘のレースの仕組みについて説明しました
私自身いろいろと試しながら理解したつもりではありますが、記載や理解の誤りがあった場合はTwitterなどでご指摘いただければ修正したいと思いますので、ぜひご連絡ください!